たたら侍 映画の口コミと評価は?

たたら侍 映画の口コミと評価は?

「劇団EXILE」の青柳翔が「渾身 KON-SHIN」の錦織良成監督と再タッグを組んだ本格時代劇!と銘打たれ公開が始まった、もののYahoo!映画などのレビューでは★★と最悪の評価。出演者の覚せい剤騒動のため上映中止にまで追い込まれた。いわくつきの映画「たたら侍」。

しかし本作の見どころはそんなところにあるのではありません!中世から続く奥出雲のたらら製鉄の実像を可能な限り再現し、戦国時代の奥出雲の村で伝統の継承を背負った青年が、様々な葛藤を経て真の武士へと成長していく時代劇復権物語なのです。EXILE HIROが映画初プロデュースを手がけています。

 


たたら侍 映画【出演情報】

EXILE青柳翔、三代目J Soul Brothers小林直己、EXILE AKIRA、津川雅彦、早乙女太一、笹野高史、宮崎美子

なお、脇役陣には佐野史郎、中村嘉葎雄、菅田俊、でんでん、品川徹と豪華な渋い役者陣が映画のクウォリティを高めています。

 

たたら侍 映画【あらすじ・ストーリー】

時は戦国の世。出雲の山奥にある「たたら村」では、製鉄技術の一つである「たたら吹き」による玉鋼(たまはがね)が、生産されていました。

玉鋼は、槍・日本刀等の刃の武器の重要な刃先の材料と成り、その武器は武運を呼ぶ物として、時の大名や武将などから、戦闘に置いての実質的な価値以上に珍重されていたのです。

少年・伍介は村で唯一たたら技術を継承する村下(むらげ)の長男として、「たたら吹き」を守る宿命を背負わされていました。しかしある時、鋼を狙う山賊たちに村が襲撃されてしまいます。この時、伍介は、強くならねばと渇望します。

数年後、立派な青年へと成長した伍介は、父・弥介(甲本雅裕)にたたらの訓練を受けながらも強くなって村を守るため、幼なじみの新平と共に武術の鍛錬に明け暮れていました。尼子一族の残党・尼子真之介(AKIRA)にも武術の教えを乞います。

そうです、この頃、たたら村には、織田軍が迫りくる時でもあったのです。ある時、近江の長浜から金物問屋・惣兵衛(笹野高史)が、出雲には錆びない幻の鋼を作る村があるいう噂を聞きつけ、たたら村にやってきて取引を申し出ます。たたら村の玉鋼を当時の最新兵器である鉄砲の材料にしようというのです。

しかし弥介も祖父・喜介(高橋長英)も、刀剣の伝統を守ってきた「たたら吹き」を外来の鉄砲のために利用することをかたくなに拒みます。

そこで惣兵衛は、侍になって村を強くしたいという願う伍介を、近江方面への向かう帆船乗せる根回しをすると誘いかけます。伍介は、許嫁のお國(石井杏奈)を置いて武者修行の旅を決意しました。

近江に着いた伍介は、近江商人・与平(津川雅彦)を紹介されました。与平は、武具甲冑を譲ったり伍介が侍になる手助けをしますが、その実は村の“玉鋼”を狙っている悪徳商人だったのです。

そして、与平の計らいで、伍介は村から持ち出した鋼を刀匠に打ってもらったのです。

伍介は織田家の家来・井上辰之進の陣中を紹介されます。伍介の役割は、飯炊き係でした。仙吉という気のいい足軽に世話をしてもらいます。

そして敵襲に遭遇しました。無残に次々と殺戮されていく足軽たち、伍介は腰を抜かしてしまいましたが後ろから鉄砲を放った仙吉に助けられ、戦場を逃げ出すことができたのです。

逃げる中、略奪に遭った農民や、落ち武者狩りにも遭遇しました。翌日戦場に戻ってみると、井上辰之進の陣は壊滅しており、屍累々とした中に仙吉の死体もありました。

伍介は戦のあまりの悲惨で壮絶な光景を目の当たりにし、刀を抜けない腰ぬけになってしまったのです。(私は、この戦場シーンは、『戦争のはらわた』や『プライベートライアン』級に、もっと残虐描写にこだわって描くべきだったのではと少々、不満。あまりにもあっけなさを感じましたね。)

 


たたら侍 映画【ラスト・結末(ネタバレ注意!)】

後半は、とうとう与平がたたら村まで乗り込み、惣兵衛同様、織田軍のための鉄砲を作って欲しいと乞うのです。

当然、弥介は即座に断りますが、与平は、良質の鉄を求めて織田軍がここにも攻め込んで来る可能性があるから、せめて武装すべきだと主張します。

こうして与平は村人をジワジワと自分の傘下へと誘いこみ、櫓や門を有した砦を築き、さらには村人たちに
無断でゴロツキの野武士の傭兵を村へと迎え入れたのです。こうして、たたら村は、与平の強引な乗っ取り謀略が進んでいきます。

クライマックスは、新平・尼子真之介らと傭兵衆・与平らの大決戦、EXILE役者陣たちの殺陣さばきも覚束ないながらもそこそこ見せてくれます。

しかし新平も尼子真之介も、鉄砲によって殺害されてしまいます。そしてとうとう、刀を抜けない伍介が立ち上がり、鉄砲を構える与平と一騎打ちとなるのです。伍介は、与平の鉄砲を一瞬にして切り落とします。

 

斬鉄剣・出雲

玉鋼の強靭さがここに描かれ、伍介は、「人を殺める」ことから逃れたのでした。以後、「侍」の夢を捨て、たたら職人・村下に徹した人生を歩んでいきます。武器を捨て平和主義の生き方を選んだのです。

 


たたら侍 映画【個人的な感想・まとめ】

近江商人・与平を演じる津川雅彦は、かつて大島渚、黒木和雄、東陽一、吉田喜重と左翼系映画監督の作品に多く出演してきた経緯があるのに、近年、国粋主義者、極右思想家に大きく様変わりしていますね。

そんな役者に「武装論者」与平を演じさせ、平和主義者(左翼)・伍介と対峙させる。これって、すごい発想だと思います。

監督がそこまで意識していたのかは、わかりませんがこの脚本を読んだ津川が、自身の模写とも思える与平役で、よく出演する気になったなあと関心しました。

そもそも錦織監督は、島根県出雲市の生まれで、デビュー作から、故郷・島根にこだわり、島根県が舞台の映画ばかり撮り続けています。

出雲の国は、古代「国譲り神話」があるように、日本・ヤマト政権とは別系統の種族です。錦織監督は、公的には「たたら製鉄」を「日本人の心を理解してもらえれば」とアピールしていますが、本音では、この映画で、出雲族とヤマト族の確執みたいなものを暗に示そうとしていたのではないかと、伍介VS与平の戦いを観て思いました。

 

たたら侍 映画【個人的な評価見解】

そして、この映画の最大の見どころは、やはり地元の宮大工、材木問屋や建設会社などの協力を得て創出した茅葺民家が数棟が立ち並ぶ「たたら村」。

実物大に復元された中世の木造帆船を実際に海に浮かべての空撮。そして極めつけは日本美術刀剣保存協会、日立金属の全面協力のもと、現代の村下・木原氏の監修で、オープンセット内に再現された高殿(たかどの)でありましょう。

実際に地下構造までを造り、中世の「たたら吹き」を再現しての撮影を実現させたのです。玉鋼を含有する「ケラ」が、水場に落とされるシーンは圧巻でした。

欲を言えば、かんな流しによる砂鉄採取のシーンも再現してほしかったです。地元の一部では、この映画に10億円もかけたことに批判も多いですが、ほとんどCGに頼らず、地元の伝承者によって再現した歴史的意義のある映画になっていると思います。

もちろん、時代劇エンタティメントとしては、もう一息という点は否定できないけど。とにかく現在、中止となった上映が、問題部分をカットして再上映が始まっています。ぜひ劇場へ!

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